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[空き家活性化ストーリー]もし手作り作家が空き家を借りたとしたら…

空き家を借りたい!という想いになるとしたらどういう時でしょうか。
僕は空き家を使ってコワーキングスペースを始めるときに、そもそも「この空き家をどうしたら面白くなるか」というのを考えました。

もちろん人によって状況は違うと思います。
空き家に住みたい人もいれば、空き家をセカンドスペースとして使いたい人、商売を始めたい人など。
そこで今回は「もし手作り作家が空き家を借りたとしたら…」。
もしあなたが手作り作家であれば「空き家ってこんな使い方ができるんだ!」という新しい発見になるかもしれません。


いつかは自分のお店を出してみたい。でもそんな資金は…


栗東市で住む木村さんの家族構成は、サラリーマンの旦那さんと小学4年生と2年生の子供です。
家計の足しにと思って、子供が小学生にあがったのを機に週3回、朝9時から15時まで近所のスーパーでアルバイトをしています。

このアルバイト先を選んだのは家から近いこと。そして特に必要な資格がなかったことです。
仕事が楽しいかと言われると正直な話やりがいなどは見いだせず家から近いからというのが本音。

木村さんには実はスーパーで働くことともう一つ「副業」としているものがありました。
それが自分が作った小物を手作り市で販売すること。

元々編み物が好きだった木村さんは、コースターやゴムひも、少し大きいものだとかばんなどを自分で作っていました。
滋賀県でも最近は満月マルシェやフォレオの手作り市、湖南市の方だとイオンタウンでの手作り市などが開催されていて、木村さん自身もこれまで月に2回ほどのペースで出店しています。

売上の方はというと、一回の出店で大体7から8,000円ぐらい売上がでるようになっており、最近はブログや無料サービスを使ったホームページも開設。
アルバイトで働いているスーパーとは比べ物にならないぐらい、やる気に満ちあふれており、もっぱら最近考えているのは「この手作りという仕事だけでやっていきたい。」ということでした。

というのは、出店の時に知り合った手作り作家友達の何人かは、自分の家の玄関を2つに分けてお店にしていたりしている人がいるのです。
毎月の売上も10万円を超えている人もおり、そうなるとアルバイトをやめても十分にやっていける!という夢が見えているのです。


・自分のお店を持ってみたい!でもお金はない。そんな時に見たのが…。

一番木村さんがやりたいことは、手作り市だけではなく自分のお店を持つこと。
しかし5年前に経った家はそんなことは当然考えていなかったので、お店にできるような構成になっているわけでもなく、また増築しようとするとそれだけで200万円のお金が必要とのこと。

月15,000円を稼ぐのがやっとの手作りの売上で、それだけのお金を工面できるわけがありません。
と思いながらも、友達の話を聞くと「羨ましい。」という気持ちも正直ありました。

お店はもちたいけど、お金はない。それでも持ってみたい。この気持ちがあった中で見つけたのが知り合いのカフェにあった「こあき屋」というパンフレットでした。
こあき屋は湖南市の空き家の仲介を行うサービスのようで、そこには「湖南市で本気になってくる人に空き家を!」というコピーが。

ホームページがあるようなので、見てみると湖南市の空き家だけでも6件ほどが賃貸物件として出ていました。
賃貸の金額も見てみると…、4万円!DIY可の物件で、場所も石部と家から10分の好条件です!

4万円は高いけれど、出せないことはない…。
でも…

その時に木村さんはあることを思いつきました!

・手作り作家の友達である足立さんと一緒にお店をやってみては!

思いついたことは、手作り作家でもある足立さんと一緒にこの場所でお店をやってみるということです。

そうすれば負担する金額も半額になるし、なにより足立さんとも日頃から「将来お店を持ってみたい!」と喋りあっていました。

シェアハウスならぬ、シェア店舗のようなことがここでできれば…。
どちらかがお店に出ることができれば、土日も開けられるお店にできるかも。

はやる気持ちを抑えて、木村さんはまずは「足立さんもそうだけど、このこあき屋にも自分が考えたアイデアを提案できるように資料を作ってみよう。」と思いました。

人を説得するのに、言葉だけではダメ。しっかりそのやる気を形にして見えるものにしないと!


・それから3ヶ月後

石部の旧街道にあった空き家に新しくお店が本日からオープンします。私の夢でもあったお店です。皆様のお越しをお待ちしております!

Facebookに投稿し、スマートフォンから目を離すと目の前には足立さんと共同で出した手作り作家のお店がそこにはありました。

そう!あれから木村さんは自分なりの資料を作り、まずは足立さんを説得。
もちろん足立さんも、「それなら一緒にやりたい!」ということで、こあき屋に行って、担当者と面談。

そんなやる気あふれる二人と資料内容を見て、それならぜひ!ということで空き家を二人は借りることができました。

室内も二人の旦那さんや子供達が手伝ってくれて、空き家の良さを活かしながら手作りのアイテムが見やすいお店になりました。

次なる木村さんの目標は「アイテムを売ることだけではなく、編み物教室をここで開催すること!そして編み物だけの手作り市をここで開いてみたい!」。

1ヶ月前にはアルバイトもやめて、収入としては不安定になった木村さんですが、それでも旦那さんからは「最近笑顔が増えたよね。」と言われるようになりました。

夢だと思っていたことが目標になる。すると次の目標が出てきて、新しいやる気が生まれてくる。

木村さんは次なる目標に向けて、「まずはこの作品を作ること!」と今日も編み物を行っています。


お店を持つことが難しい理由はなんですか?


ここではフィクションストーリーとして手作り作家が空き家を借りたらというケースを書いてみました。
どうでしょうか、これを読んであなたは「非現実的だ!」と思うでしょうか。

僕は思いません。なぜなら同じようなことを僕は湖南市で行っているからです。

湖南市のみなら地方には多くの空き家が眠っています。
しかしそれが未だほぼ活用されていません。

住居として住むのももちろんあり!ただ空き家の活用の選択肢自体はそれだけではありません。

木村さんのように、資金面で難しいと感じたら足立さんとシェア店舗をすると切り替えるのも一つの手です。

お店を持つことが難しいのではなく、「お店持ちたいけどお金が。。。」→「お金がないから仕方ない」→「でもお店を持ちたい」と堂々巡りにしてしまうことが実は難しくしてしまっている原因です。

まずは行動して見ること。そしてその行動に熱意を込めて、人を説得してみよう!というのができれば活路は見いだせるはず。

第二の木村さんにもなる人が湖南市でも増えるように、こあき屋も様々なケースの空き家を湖南市で見つけていきますのでぜひ今後もチェックをお願いします。