滋賀県民の気質と空き家への意識
「滋賀県 気質」とGoogleで検索してみると、必ず出てくるキーワードが『守銭奴』『ケチ』『お金好き』と、お金にシビアという意味の言葉ばかり。
良い言葉を探してみたら、『堅実』『努力家』『家族を大切にする』というキーワードが出てきます。
近江商人気質?
私は生まれも育ちも大阪なんですが、滋賀に来て真っ先に思ったのが、「滋賀県民はお金持ちが多い。でも全然贅沢な暮らししてない。なんでだろう」でした。
もちろん、滋賀県生まれ滋賀県育ちだと、それが当たり前と思うでしょうが、よそ者から見たらすごく「お金にシビア感」を感じます。
おそらく、近江商人の気質がそのまま受け継がれているからでしょう。「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の精神が今も生きているようです。
調査結果に表れる、滋賀県民気質

この気質は、空き家への意識調査でも顕著に出ています。
ある調査機関が、滋賀県全域と滋賀県南部対象に、空き家に対する意識調査を行いました。
それによると、空き家をどうするかという質問に対して「売却する」と答えた人が全国では19%、滋賀県南部では14%。
逆に「放置する」と答えた人が全国では約50%、滋賀県南部では36%でした。
さらに「解体して空き家にしておく」が全国はたったの5.5%に対し、滋賀県南部は21%もありました。
つまり、滋賀県南部の人は、売れない・売りたくない空き家を放置せず、お金をかけて責任をもって最適な状態にする。ということのようです。
これも、滋賀県気質がモロに出た結果のように感じます。
家を解体するには100~300万円くらいかかりますし、更地にしたら税金が4~6倍多くかかってしまいます。
普段から無駄遣いせずお金を貯めていて、「世間よし」が崩れるようなところにはキッチリとお金をかける。という気質のようですね。
さらにおもしろい結果は、全国では「別荘・セカンドハウスなどで利用する」が3.8%に対し、滋賀県南部は14.3%、
「賃貸に貸す」は全国で5%だったのに対し、滋賀県南部ではなんと衝撃に0%でした。
つまり、空き家は自分で使うもので、人に貸すなんてとんでもない!!ということのようです。
空き家管理に関しての調査では、「自分や親族が定期的に管理」と「自分や親族が不定期に管理」の項目では全国も滋賀県南部もさほど差はありませんでした。
しかし、「専門業者に管理を委託」では全国では4.6%に対し、滋賀県南部はここでも衝撃の0%でした。
「ほとんど何もしていない」は、全国で25%、滋賀県南部で35%と、ここでも10%もの開きが出ています。
滋賀県南部の人は「空き家にお金が労力をかけるなんてモッタイナイ」と思ってるんじゃないかなと、このデータを見る限りでは読み取れます。
実際に私が現在空き家管理の仕事をいただいている方は、もともとは京都の方です。
5~10年後は?

このデータと私の滋賀に来てからの実感を合わせて予測すると、滋賀県民のある程度年配の方々は近江商人の気質を持ち合わせている為、家もある程度の管理ができ、お金をかけるべきところとかけないところをしっかり見極めているように感じます。
しかし、滋賀県には40年ほど前に開発された住宅街がたくさんあって、それが5年~10年後には爆発的に空き家になると予想されています。
しかも、40代くらいの息子世代では、今ほど近江商人気質は強くないように感じますので、今後、滋賀の空き家事情がどうなっていくのか気になるところです。