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空き家を借りる時に重要なのは条件?それよりも大切なこと、それが「モチベーション」だと思います。

空き家バンクでは、たくさんの物件が掲載されています。バンクを運営している団体に問い合わせて、物件を見せてもらい、家主さんと契約する。

しかし、いざ住んでみたら、家主さんから言われることが初めと違う!!

「不動産屋の親戚に聞いたら3万円なんて安すぎるっていうから、5万円にして」とか

「離れに農機具入れたいから、離れに入れた荷物をどけてくれない?」

住んでからこんなこと言われたら、うわぁ~って気分になりますよね。

私も賃貸営業をしていた時に、大阪の賃貸マンションにも関わらず、オーナーからこれに近いことを言われることがありました。その時はオーナーと激しく言い合いしたもんです。

今振り返っても賃貸屋として、入居した後に話を変えるなんて、最もしてはいけないことでした。


ある一つの原因が賃貸の時・後にモメるケースとなってしまう。


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5~6年前に空き家バンクという制度が出来た当初は、運営はほとんどが市町村がしていました。お役所というのは不動産契約にまで入り込むことが出来ません。

そのため、家を借りる手前までの道しるべを付け、その後の契約は借主と貸主で直接行ってもらっていました。
(現在では不動産屋が契約だけ行うケースが多くなりました)

契約書のひな形も市が用意してあげ、家主さんにも十分にアドバイスをしてから契約してもらう。でも、この「直接契約」でモメるケースが多く出てきたそうです。

アドバイスも貰い、契約書も交わしているのに、何故モメるんでしょう?

それは、貸す人も、借りる人も、『不動産の素人』だからなんです。モメる原因に悪意があるものは非常に少ない。

しかし、『当たり前レベル』が、今まで賃貸借契約をしたことが無い人にとってはよく分からず、

「これくらいは普通だろ?」「え?俺の土地だよ?何が悪いの?」といった話しのズレが生じやすいのです。


吉田が考える、家を借りる時の大切な条件とは?


私の経験上の話なんですが、家って「条件」で借りるものではないんです。「モチベーション」で借りるもんだと私は思ってます。

もちろん、立地条件や家賃やシチュエーションで決めるんですが、自分の想像以上のものが見つかったら、モチベーションが上がって「めっちゃエエとこ借りれた」って大満足で長年暮らせることが多いですし、逆に、その地域で最高条件の家を借りれたとしても、自分の想像を大きく下回る物件だったら、妥協して住んでる感が出てしまいます。

満足して借りても、住んだ後に契約ごとでいろいろ言われたら、モチベーションが下がってしまいます。

なので、契約する前に不動産にある程度詳しい人に間に入ってもらい、「この契約のときは法律上はこうだよ」とか「この条件なら普通はぼっとん便所になってしまうよ」というような『当たり前レベル』のすり合わせをすることが重要だと思います。

「この家、ムカデ出ますよ~」と言われて覚悟して住んだら、ムカデが出たってモチベーションはちょっとしか下がりませんが、「田舎なのに虫が出たことないんです」と言われ、住んでから虫がわんさか出たら、モチベーション下がり過ぎてノイローゼになってしまうかもしれませんしね。


空き家を借りる時も借りてからも、良い契約をする方法まとめ


物件を探すときに大切なことは、『いかにモチベーションが保たれる物件に住むか』と『モチベーションが下がらない契約が出来るか』です。

もちろん貸す側も、情報を完璧に持っているわけではありませんが、家を探す段階で、
「絶対に無理なこと」
「これを許してもらえないと借りる意味がないこと」
「不安に感じていること」

を整理しておきましょう。


無理なもんは無理なのです。そこは妥協してはいけません。

・奥さんが超虫嫌い→旦那さんは無理矢理虫が出る家を契約してはいけません。離婚の危機になりますよ。

・慢性腰痛持ち→雪おろしのいる地域に行ってはいけません。白川郷にあこがれて飛騨高山に住んだら、泣きたくなるくらいに辛いですよ。

あと、住んでから家主さんと「言った言わん」の話になるのもモチベーションが下がる大きな要因です。契約ごとは、曖昧にしてはいけません。

・基本的に、不動産屋さんを間に入れて契約する。→家主直契約は契約の効力が弱いので、モメ事になった時に困ることが多くなります。

・「甲乙協議の上で決定」という文言が多い契約書は危ない。→ようは何でも話し合いで決めましょうってことなので、家主が好き勝手言ってくることがあります。

・代が変わった時も同じ契約?→家主が高齢の場合、いつ息子さんに継続されるかわかりません。家主さんの人柄に魅せられてアバウトに契約してしまうと、代が変わった時にあれもこれもおかしい!!って事態になるかもしれません。家主さんが素晴らしい人でも、念のため契約はしっかり結ぶ。


と、少々固いことを言いましたが、最終的に田舎暮らしをするのに大切なのは「人柄」です。

契約をする段階で、上記のようなことに気を付けてキッチリ契約すれば、住んでからは人柄勝負!とにかく丁寧に、謙虚に、ちょっと大変な地区の行事も出れるときは積極的に出る。

こういった姿勢が、モメることなく、モチベーションを高く保ちながら暮らせるコツだと、私は思います。


  • この記事を書いた人

  • 吉田健太郎

  • 生まれも育ちも大阪。元賃貸仲介会社勤務。湖南市に移住し、空き家問題解決と地域活性の両方を実現すべく『こあき屋』を立ち上げる。歴史と自然好き

  • http://konanokoshi.wix.com/konan-okoshi